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第70話 招かれざる客

作者: 文月 澪
last update 公開日: 2026-07-02 16:00:56

 翌日。私が登校すると、校門に人だかりができて怒声まで聞こえてきた。その中にこの数日で慣れ親しんだ声が混ざっている。私は慌てて人波をかき分けると、先頭に躍り出た。

 そこにはやはり、友人の姿が。

 うちの制服とは違う学ランを着崩したガラの悪い男達が、由香里ちゃんの肩に腕を回してもたれかかり、校門の中央に居座って封鎖していた。校内から先生が散らそうとするけど、威嚇されて上手くいっていない。

 「由香里ちゃん!」

 声を上げた私にその中のひとりが気づくと、リーダーと思われる男に声をかけた。

「あ、いたいた~。タオさん、あいつっすよ、瀬戸の女! 昨日イチャついてたから間違いねっす!」

 タオと呼ばれた男がゆっくりと顔を上げると、鋭い瞳が私を見据える。

「……これが? 鳥ガラじゃねぇか、女はこいつくらい肉あった方が抱き心地いいのによ~」

 そう言いながら、腕に捕えた由香里ちゃんの胸を鷲掴みにした。

「痛い! 離して! 離しなさいよ!」

 由香里ちゃん

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     翌日。私が登校すると、校門に人だかりができて怒声まで聞こえてきた。その中にこの数日で慣れ親しんだ声が混ざっている。私は慌てて人波をかき分けると、先頭に躍り出た。 そこにはやはり、友人の姿が。 うちの制服とは違う学ランを着崩したガラの悪い男達が、由香里ちゃんの肩に腕を回してもたれかかり、校門の中央に居座って封鎖していた。校内から先生が散らそうとするけど、威嚇されて上手くいっていない。 「由香里ちゃん!」 声を上げた私にその中のひとりが気づくと、リーダーと思われる男に声をかけた。「あ、いたいた~。タオさん、あいつっすよ、瀬戸の女! 昨日イチャついてたから間違いねっす!」 タオと呼ばれた男がゆっくりと顔を上げると、鋭い瞳が私を見据える。「……これが? 鳥ガラじゃねぇか、女はこいつくらい肉あった方が抱き心地いいのによ~」 そう言いながら、腕に捕えた由香里ちゃんの胸を鷲掴みにした。「痛い! 離して! 離しなさいよ!」 由香里ちゃんの悲鳴に一歩を踏み出そうとするけど、あまりに粗暴な態度に足が震えてしまう。いくら剣道を習っていても、それはあくまでスポーツ。こういう輩を相手にしたことなんてなかった。 先生達でも手がだせず、タオは更に増長していく。顎で手下に合図を送ると、私は囲まれ腕を捻り上げられる。痛みに顔を歪めると、下卑た嗤いが周囲を支配した。「おい、誰でもいいからよ~、瀬戸呼んでこいや。ちょこまかと逃げ回りやがって、今日こそ潰してやっからよ~」 低く恫喝する声に、みなが息を呑むのが分かる。こんなこと、今まで一度もなかったのに。 こいつらが意気揚々と乗り込んできた理由、それはきっと私のせいだ。 由香里ちゃんから聞いた瀬戸先輩の噂は、この辺り一帯の裏番的な存在だというものだった。二年の時に停学になったのも喧嘩が理由だって。でもそのお陰で何を逃れていたのも事実。 だけど、ストッパーだった先輩に、私という弱点ができてしまった。 自分で言うのも気恥ずかしいけど、先輩は私を大事にしてくれる。それをさっきの手下に見ら

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